N響ゴールデン・クラシック

GWこそ本格的なオーケストラ音楽を!

 ゴールデンウィークは、遠出もいいが、新緑あふれる上野の森で、本格的なオーケストラ・コンサートに浸るのも一興だ。しかも演奏が、日本を代表するNHK交響楽団ならば文句なし。そこで例年大人気を集めているのが、『N響ゴールデン・クラシック』である。
 今年は、気鋭のエストニア人指揮者ミハイル・ゲルツが、初来日公演を行う。彼は、地元とベルリンで学び、エストニア国立歌劇場で30以上の作品を指揮。WDR響、ベルリン・ドイツ響、フェニーチェ歌劇場などに客演し、今シーズンからドイツのハーゲン歌劇場のカペルマイスターおよび次席音楽総監督を務めている。今回は、ヤルヴィ親子を生んだエストニア期待の若手が、敏腕集団・N響をいかにリードするか? が、まずは注目点。しかもオーケストラのみの演目が、リストの「レ・プレリュード」とベートーヴェンの交響曲第7番という、N響の重厚な持ち味が生きる名曲だけに、ダイナミックな音楽を楽しみながら、俊英の個性を知ることができる。
 また、若手人気ピアニスト・福間洸太朗を迎えて、ラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」も披露される。彼は、欧米各地でリサイタルを行い、クリーヴランド管やイスラエル・フィルと共演するなど世界的に活躍、これまでにリリースした10枚のCDの評価も高い。今回は、その瑞々しいピアニズムと共に、すでにフランス・リールで共演したゲルツとのコンビネーションが聴きどころ。加えて、ショパン、リストなどの作品を3曲弾く「プレコンサート」(13:40〜同ホール)も聴き逃せない。
 GWは、ハイグレードな音楽会を、老若男女こぞって楽しもう!
文:柴田克彦
(ぶらあぼ + Danza inside 2016年5月号から)

5/3(火・祝)14:30 東京文化会館
問:サンライズプロモーション東京0570-00-3337
http://sunrisetokyo.com