日本フィルハーモニー交響楽団

Japan Philharmonic Orchestra

1956年6月創立。質の高い音楽を届ける「オーケストラ・コンサート」、音楽との出会いを広げる「エデュケーション・プログラム」、音楽の力で様々なコミュニティに貢献する「リージョナル・アクティビティ(地域活動)」という三つの柱に加え、2011年の東日本大震災以来「被災地に音楽を」届ける活動を継続している。これらの活動は高い評価を受け、第16回後藤新平賞を受賞。
2023年9月より首席指揮者にカーチュン・ウォンを迎え、桂冠名誉指揮者小林研一郎、桂冠指揮者兼芸術顧問アレクサンドル・ラザレフ、フレンド・オブ・JPO(芸術顧問)広上淳一という指揮者陣を中心に年間150回を超えるオーケストラ公演を行う。
2026年の70周年に向け、芸術性と社会性を両輪とし、「温かさ」「人に寄り添う」土壌を大切にしながら、あらゆる人々へ、世代へ、地域へ、音楽の持つ様々な力を社会に活かしていくことを目指している。
1994年に杉並区と友好提携を結び、本拠地とする。

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創立時は、楽団創設の中心となった渡邉曉雄が初代常任指揮者を務める。当初より幅広いレパートリーと斬新な演奏スタイルで、ドイツ・オーストリア系を中心としていた当時の楽壇に新風を吹き込み、大きなセンセーションを巻き起こした。1962年には世界初のシベリウス交響曲全集(渡邉曉雄指揮)を録音。また、イゴール・マルケヴィチ、シャルル・ミュンシュなど世界的指揮者が相次いで客演、1964年にはアメリカ・カナダ公演で大成功を収め、創立から10年足らずの間に飛躍的な発展を遂げた。

創立期から始められた「日本フィル・シリーズ」は、日本の音楽史上でも例のない委嘱制度として三善晃、武満徹、細川俊夫をはじめ幅広い層の邦人作曲家へ委嘱を行い、現在までに42作が世界初演され、すでに“古典”と呼ぶにふさわしいポピュラリティを獲得したものも少なくない。

2008年から8年間にわたり首席指揮者を務めたロシアの名匠アレクサンドル・ラザレフとは、2011年には香港芸術節にも参加。演奏面でも飛躍的に演奏力が向上したと、各方面より高い評価を得た。ラザレフとは2018年5月の第700回東京定期演奏会でストラヴィンスキー《ペルセフォーヌ》の日本初演も行っている。

2016年から7年間首席指揮者を務めたフィンランドのピエタリ・インキネンとは、日本フィルの伝統でもあるシベリウスに加え、ドイツ音楽の真髄に迫るプログラムを主要なレパートリーとして深めた。特に創立60周年に演奏したワーグナー《ラインの黄金》全曲演奏は、日本フィルの新たな一面を全面に打ち出し、大きな話題となった。2019年4月には13年ぶりのヨーロッパ公演を行い、外交関係樹立100周年を迎えるフィンランドを初めて訪れたのをはじめとして、ドイツ、オーストリア、イギリスで10公演をおこなった。

首席指揮者カーチュン・ウォンとは、ライフワークであるマーラーに加え、シンガポールで生まれた指揮者と日本で創立したオーケストラだからこそ持ち得る「日本を含むアジア」への視点を活かし、新しい時代のオーケストラ像を創造していく。

オーケストラ公演は例年150回を超え、東京・横浜・さいたま・相模大野で定期演奏会を開催。充実した指揮者陣を中心に個性的で魅力的なプログラムで、演奏力を磨き、より高い芸術性を目指している。長い歴史を大切にしつつ、新しいものに積極的に取り組んでいく姿勢は、2018年から続く最新のテクノロジーを駆使し芸術文化により、多様性の高い社会の構築と日本文化の発信を目指す落合陽一とのプロジェクト(カンヌライオンズ2019・ミュージック部門でブロンズも受賞)でも引き継がれている。

エデュケーション・プログラムを代表する「夏休みコンサート」は約半世紀にわたり毎年2万人を超える親子に本格的な演奏会を提供。また学校や介護施設等への訪問コンサートも年約200回行っている。日本のオーケストラにおける先駆的な取り組みである創作・体験的ワークショップは、コミュニケーション・ディレクターのマイケル・スペンサーと15年以上にわたり取組み、子どもたちの音楽との出会いの場を広げるだけでなく、音楽を通したコミュニケーションを提案し、企業の社員教育の観点からも注目されている。

リージョナル・アクティビティは、全国各地で地域と協働しながら音楽を通したコミュニティの活性化と、地域文化の発展を目指す長期的な活動を総称する。特に九州全県で行う九州公演は1975年よりその歴史を刻み、地元のボランティアの皆さんとプログラムから販売まで話し合う、まさに地域とともに作り上げる公演。さらに、友好提携を結ぶ杉並区でも、「杉並公会堂シリーズ」や「60歳からの楽器教室」など地域に密着した活動を展開している。

この三つの活動の柱に加え、東日本大震災の直後、2011年4月より、ボランティア活動「被災地に音楽を」を開始。2022年度末までにその公演数は326回を数える。これらの活動は高い評価を受け、第16回後藤新平賞を受賞。東北の夢プロジェクトはここから発展し、地域内外の交流と文化発信の場づくりを目指す「夢の舞台」として、岩手・福島でオーケストラ公演を行っている。

毎週水曜日22時54分~23時、BS朝日『Welcomeクラシック』出演中。

(2023年11月1日現在)

公式サイトhttps://www.japanphil.or.jp

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