4人の若きソリストがコンチェルトで海外研修の成果を披露

左より:本田ひまわり/原田莉奈/青島周平/山根風仁 ©John Cooper

 文化庁の新進芸術家海外研修制度で選抜され、外国で学んだ若き音楽家たちの豪華競演。高関健指揮の東京シティ・フィルとともに研修の成果を披露する。

 オルガンの本田ひまわりはフランスでもっともオルガンの数が多いとされるアルザス地方のストラスブール地方音楽院で学んだ。今回はイタリアのオルガニスト兼作曲家のM.E.ボッシ(1861〜1925)による壮麗な協奏曲を取り上げる。本作を生で聴ける機会自体が稀であり非常に楽しみだ。

 原田莉奈はベルリン芸術大学マスターピアノソリスト科に在学中。第26回アルトゥール・シュナーベルコンクール第2位(1位無し)入賞など、正統派としての実績を積んでいる。本公演ではモーツァルトのピアノ協奏曲の中でも人気の高い第23番を弾く。端正かつ優美な名曲への真摯な取り組みに期待。

 パリ国立高等音楽院のピアノ科、伴奏科、エクリチュール科で学んでいる青島周平も注目のピアニストだ。複数のコンクールで入賞歴を重ねており、今後もピアノと作曲の両面から曲の本質に鋭く迫るアプローチに磨きをかけていくはずだ。演奏曲はプロコフィエフのピアノ協奏曲第3番。

 山根風仁は英国王立スコットランド音楽院修士課程を経てブリュッセル王立音楽院ポストグラデュエート課程を修了した知性派のチェロ奏者。ベルギーではロマン派以降の歴史的演奏解釈を研究したという。シューマンのチェロ協奏曲の秀演で「19世紀の古楽」の驚きと楽しみを再発見させてくれるだろう。
文:近松博郎
(ぶらあぼ2025年2月号より)

明日を担う音楽家たち 新進芸術家海外研修制度の成果
2025.2/27(木)19:00 東京オペラシティ コンサートホール
問:ヴォートル・チケットセンター03-5355-1280
https://www.orchestra.or.jp