2024年に結成30周年を祝ったクァルテット・エクセルシオ(西野ゆか、北見春菜、吉田有紀子、大友肇)は、近年、毎年3月に第一生命ホールで新進気鋭の弦楽四重奏団との共演に取り組んでいる。次回の演奏会には、23年の大阪国際室内楽コンクール弦楽四重奏部門で第2位に入賞したほのカルテットが招かれる。
ほのカルテットは、第1ヴァイオリンが読響次席の岸本萌乃加、第2ヴァイオリンが葉加瀬太郎の「題名プロ塾」合格者で幅広く活躍する林周雅、ヴィオラが反田恭平率いるジャパン・ナショナル・オーケストラの長田健志、チェロが東響の蟹江慶行という、すでにそれぞれがプロとして活躍している個性派集団。1996年の大阪国際室内楽コンクールで同じく第2位入賞の“先輩”、クァルテット・エクセルシオとのエネスコの弦楽八重奏曲が非常に楽しみだ。この曲は、今やメンデルスゾーンのそれに次ぐ人気曲となっている名作。
そして、それぞれのグループが単独でも演奏する。ほのカルテットは得意のメンデルスゾーンの弦楽四重奏曲から第3番を、クァルテット・エクセルシオは、あまり演奏されないが、最近注目度をあげているコルンゴルトの第2番を披露する。1933年に作曲された第2番は、第4楽章がワルツで書かれているチャーミングな作品。これからの日本の弦楽四重奏を担う2団体の共演に注目である。
文:山田治生
(ぶらあぼ2025年2月号より)
クァルテット・ウィークエンド 2024-2025
クァルテット・エクセルシオ × ほのカルテット
2025.3/1(土)14:00 第一生命ホール
問:トリトンアーツ・チケットデスク03-3532-5702
https://www.triton-arts.net