音楽的歴史文脈とそれにふさわしい楽器、説得力のある音楽解釈でそれぞれの作品に向き合う。現代の視点に基づいた真正さによって、様々な作品群を唯一無二の芸術へと作り上げる。
レオポルド・モーツァルト・コンクールおよびパガニーニ国際ヴァイオリン・コンクールで優勝し、一躍世界的に注目される。これまでに、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、ボストン交響楽団、ヨーロッパ室内管弦楽団、レ・シエクル、フライブルク・バロック・オーケストラをはじめとする世界の主要オーケストラと、アンドリス・ネルソンス、ジョヴァンニ・アントニーニ、フランソワ=グザヴィエ・ロト、ジョン・エリオット・ガーディナー、ダニエル・ハーディング、フィリップ・ヘレヴェッヘ、ユッカ=ペッカ・サラステ、クラウス・マケラ、ロビン・ティッチアーティ等の指揮者と共演している。
あらゆる時代と様式の楽器に精通し、芸術的探究心と豊かな知性を併せ持つ。ファウストは音楽をただそれだけのものとして終わらせることは決してせず、献身的に繊細さと良心をもって作品の本質を昇華させる。通常のコンチェルト・レパートリーに加え、古楽器でのシューベルトの八重奏曲や、ドミニク・ホルヴィッツとのストラヴィンスキー《兵士の物語》、クルターグ《カフカ断章》などを演奏している。現代音楽にも精力的に取り組み、近年はペーテル・エトヴェシュ、ブレット・ディーン、オンドジェイ・アダーメク、ルネ・グレロプらの作品を初演している。
2023/24シーズンのハイライトは、リゲティ生誕100周年を記念したロト&レ・シエクルとのツアー、バイエルン放送交響楽団、NDRエルプフィルハーモニー管弦楽団、ベルゲン・フィルハーモニー管弦楽団、スペイン国立管弦楽団、トゥールーズ・キャピトル管弦楽団、NHK交響楽団、東京都交響楽団等との共演、サー・サイモン・ラトル指揮ロンドン交響楽団との2024年ツアーがある。また、南西ドイツ放送交響楽団のアーティスト・イン・レジデンスを務める。
室内楽では、アントワン・タメスティ、クリスティアン・ベザイデンホウト、アンネ・カタリーナ・シュライバー、クリスティン・フォン・デア・ゴルツ、アレクサンドル・メルニコフ、ジャン=ギアン・ケラス等とのプロジェクトが予定されている。 CDはハルモニア・ムンディより多数リリース。いずれも批評家から絶賛され、ディアパソン・ドール賞、グラモフォン賞、ショック・ド・ラネー賞をはじめ、数々の賞を獲得している。近年は、バロック後期の無伴奏作品を収録した『ソロ』のほか、『ロカテッリ~ヴィルトゥオーソ、詩人』(ジョヴァンニ・アントニーニ指揮イル・ジャルディーノ・アルモニコ)、『ファウスト& ロトのストラヴィンスキー』(フランソワ=グザヴィエ・ロト指揮レ・シエクル)、『シェーンベルク:ヴァイオリン協奏曲、浄夜』(ダニエル・ハーディング指揮スウェーデン放送交響楽団)、『ベートーヴェン:三重協奏曲』(パブロ・エラス・カサド指揮フライブルク・バロック・オーケストラ/チェロ:ジャン=ギアン・ケラス、ピアノ:アレクサンドル・メルニコフ)等をリリース。このほか、『バッハ:無伴奏ソナタ&パルティータ』、『ベルク、ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲集』(クラウディオ・アバド指揮モーツァルト管弦楽団)も名盤として誉れ高い。ピアニストのアレクサンドル・メルニコフとは長年にわたり共演を続け、ベートーヴェンのソナタ全集、モーツァルトのソナタ集、ブラームスのソナタ&作品集等、数々の録音を残している。
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