クラシック音楽が世界をつなぐ 〜輝く未来に向けて〜

日本の音楽界を元気に! 全国規模のプロジェクトが実現

 一般社団法人日本クラシック音楽事業協会は今秋、親しみやすい名曲を優れた演奏で全国各地の聴衆に届けるとともに、コロナ禍で疲弊したクラシック音楽界の活性化を図る音楽プロジェクトを実施する。同協会は、音楽マネジメント会社やホール・劇場、出版・放送など、クラシック音楽に関わる95の事業者が加盟する業界組織。クラシック界が総力を結集し、指揮の広上淳一やピアノの仲道郁代ら、日本を代表する人気アーティストが顔を揃えるゴージャスなコンサートを作り上げる。沖縄から北海道まで10の地域をめぐる全19公演は、大ホールと小ホール用の2つの企画に大別される。前者は特別編成のスーパー・オーケストラやトップソリストが出演する「華麗なるガラ・コンサート」。後者は、今年没後50年のストラヴィンスキー「兵士の物語」や没後100年のサン=サーンス「動物の謝肉祭」を中心とするプログラム。

 昨年度、公演数で前年比約55パーセント、観客動員数で70パーセント減という深刻な打撃を受けた日本のクラシック音楽興行。同協会は昨年来、公演自粛を要請する国に対し、他業界に先駆けて補償を求める要望書を提出。また独自の科学的検証に基づく感染対策ガイドラインを策定し、イベント制限の緩和に結びつけるなど、コロナ禍に伴う諸問題に先進的に取り組んできた。いまだ出口の見えない窮状のなか、このプロジェクトは、全国に良質な生の音楽を提供するとともに、苦しむアーティストたちに演奏機会を創出する、直接的な取り組みとなる。

 音楽の力、文化芸術のエネルギーが、コロナ禍でのさまざまな分断や疑念、閉塞感に苛まれる現況を打破する一助となることを信じたい。
文:編集部
(ぶらあぼ2021年8月号より)

2021.9/3(金)〜12/25(土)
問:クラシック音楽が世界をつなぐ広報事務局03-6220-3367

https://classic-caravan2021.com