【CD】シューマン:詩人の恋&ケルナー歌曲集/ヨナス・カウフマン&ヘルムート・ドイチュ

オペラ界のスーパースター、カウフマンはここのところリートに力を入れている。シューマンの「詩人の恋」は、冒頭からドイチュのピアノが美しく、カウフマンの甘い声に絡みつく。第4曲の彼女との交感の繊細さ、第6曲・ラインの歌のワーグナーのような朗々たる響き、第9曲の愛する人の結婚式の輪舞に痛む心、第10曲の涙の滴る音のひそやかさ、第12曲・夏の朝の歌のピアノ後奏の意味深さなど、この傑作を存分に味わうことができる。ケルナー歌曲集はやや説明調だが、シューマンの機知はよくわかり、ここでも美声が魅力的だ。24歳のカウフマンの声が、ボーナストラックに入っているのも嬉しい。
文:横原千史
(ぶらあぼ2026年5月号より)

【information】
CD『シューマン:詩人の恋&ケルナー歌曲集/ヨナス・カウフマン&ヘルムート・ドイチュ』

シューマン:歌曲集「詩人の恋」、ケルナーの12の詩

ヨナス・カウフマン(テノール)
ヘルムート・ドイチュ(ピアノ) 他

ソニーミュージック
SICC 30940 ¥2970(税込)