佐藤友紀(トランペット)& 福川伸陽(ホルン)

金管のトッププレイヤーが集結した新ユニット「ARK BRASS」始動!

左:佐藤友紀 右:福川伸陽
(c)オザワ部長

 21世紀の「ブラス・アンサンブルのレジェンド」を目指すべく結成されたARK BRASS。佐藤友紀(東京交響楽団首席トランペット奏者)、福川伸陽(NHK交響楽団首席ホルン奏者)、青木昂(読売日本交響楽団首席トロンボーン奏者)、次田心平(読売日本交響楽団テューバ奏者)という金管楽器界のスーパースター4人がコアメンバーとなり、オーケストラなどで活躍中のトッププレイヤーが加わって、金管五重奏から大型の十重奏まで編成を変えながら演奏するアンサンブル・ユニットである。

 ARK BRASSはサントリーホールとアーク・カラヤン広場で繰り広げられる都市型音楽祭 ARK Hills Music Week「サントリーホール ARKクラシックス」のレジデンス・ブラス・アンサンブル。今年9月にはCDデビューを、10月には群馬・東京・愛知・大阪でツアーを予定している。

 実は、ARK BRASSがオマージュの対象としているのは1970〜80年代にイギリスのトランペット奏者であるフィリップ・ジョーンズが結成したフィリップ・ジョーンズ・ブラス・アンサンブル(PJBE)。元祖「ブラス・アンサンブルのレジェンド」だ。

 では、なぜこのコアメンバーが集い、PJBEへのオマージュという形を取っているのか。中心人物である佐藤に聞いた。

 「とあるコンサートに福川君と青木君を招いて金管三重奏をやったときに、音楽的に同じ『言葉』でしゃべれる、同じ方向を向いている、ということが感じ取れてすごく楽しかったんです。そこで、旧知の間柄の次田君にも参加してもらい、PJBEのスタイルでやってみようという話になりました」

 卓越した演奏技術とユーモアあふれるパフォーマンスで一世を風靡したPJBEの偉業を現代の聴衆にも伝えながら、新たなブラス・アンサンブルの可能性を追求していくのがARK BRASSなのだ。

 一方、国内屈指のホルニストとしてユニットを引っ張る福川はARK BRASSの魅力をこう語る。

 「僕らの演奏にはジャズのセッションのような面白さがあります。その日、そのときの気分によって楽器で語る『言葉』が変わり、それにインスピレーションを受けて他のメンバーの音も変わる。音楽の会話を通じて生きた音楽を奏でるところを、皆さんにも楽しんでいただけるのではないかと思います」

 同じコアメンバーの青木については「ダントツに年齢が若いのに、物怖じせず対等に楽器で自分の音楽を語ってくれる人」(佐藤)、次田については「昔からの悪友です(笑)。テューバであれだけ歌えるプレイヤーはなかなかいない」(福川)とお互いをリスペクトし合っている。

 そんなARK BRASSのデビューCD『イージー・ウィナーズ〜PJBEへのオマージュ』には、PJBEの楽譜を使った「クラーケン」「イージー・ウィナーズ」「グリーンスリーブス」などに加え、沢田完作曲の委嘱作品「サイケデリック東京」を収録予定だ。

 「特に、音響効果にこだわった『グリーンスリーブス』、現代の東京を音楽で描写する難曲『サイケデリック東京』には注目していただきたいです」(佐藤)

 日本が誇るスーパープレイヤーたちが化学反応を起こしながら刺激的な音楽を奏でるARK BRASS。今秋のCDリリース、コンサートツアーがいまから待ち遠しい。
取材・文:オザワ部長
(ぶらあぼ2021年8月号より)

ARK BRASS結成記念ツアー2021
2021.10/5(火)19:00 高崎芸術劇場 音楽ホール

10/6(水)19:00 三鷹市芸術文化センター 風のホール
10/7(木)19:00 三井住友海上しらかわホール
10/9(土)14:00 住友生命いずみホール

【サントリーホール ARKクラシックス】
●ARK BRASS スザート組曲 ~PJBEへのオマージュⅠ
2021.10/10(日)14:00 サントリーホール ブルーローズ(小)
●ARK BRASS イージー・ウィナーズ ~PJBEへのオマージュⅡ
10/11(月)19:00 サントリーホール ブルーローズ(小)
問:チケットスペース03-3234-9999(10/5,6,10,11)

  クラシック名古屋052-678-5310(10/7)
  ABCチケットインフォメーション06-6453-6000(10/9) 
https://avex.jp/arkbrass/

SACD『イージー・ウィナーズ〜PJBEへのオマージュ』
エイベックス・クラシックス
AVCL-84124 ¥3300(税込)
9/1(水)発売