軽井沢大賀ホール 2014 春の音楽祭

名手たちが集結して春の祝祭を盛り上げる

 軽井沢大賀ホールが、2005年の開館当初から続けている『春の音楽祭』。今や地元では、高原に光の季節の到来を告げる風物詩として、すっかり定着している。
 今年は、井上道義指揮のオーケストラ・アンサンブル金沢が、豪華なソリスト陣を迎えておくるステージで開幕。ベートーヴェン「田園」やバルトーク「ルーマニア民俗舞曲」などを大枠に、フルートの工藤重典がドップラー「ハンガリー田園幻想曲」、チェロのルドヴィート・カンタがサン=サーンス「白鳥」、ヴァイオリンのアビゲイル・ヤングがクライスラー「愛の悲しみ」を聴かせる(4/27)。
 そして、この音楽祭の“常連”でもあるピアノの仲道郁代のリサイタルでは、ショパンのバラード全4曲やベートーヴェン、シューマンなどを弾く (4/29)。尾高忠明指揮の東京フィルハーモニー交響楽団も登場し、交響曲第2番や「カレリア組曲」「悲しきワルツ」など、シベリウスの名曲を特集(5/3)。そして、渡邊一正指揮のNHK交響楽団は、俊英・宮田大をソリストに据えてのドヴォルザークのチェロ協奏曲や、チャイコフスキー「白鳥の湖」のダイジェストを披露する(5/4)。
 さらに、東京音楽コンクール入賞者を中心とした若手演奏家らで組織された「春の音楽祭スペシャルアンサンブル2014」がチャイコフスキー「弦楽セレナード」などを聴かせる『ふれあいこんさーと』(5/6)のほか、サックス界の鬼才MALTAがジャズ界の名手を迎えての熱いステージ(5/2)や津軽三味線の吉田兄弟によるコンサート(5/5)も開かれ、お祭り気分を盛り上げる。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2014年4月号から)

井上道義(指揮) オーケストラ・アンサンブル金沢★4月27日(日)
仲道郁代ピアノ・リサイタル★4月29日(火・祝)
尾高忠明(指揮) 東京フィルハーモニー交響楽団★5月3日(土・祝)
渡邊一正(指揮) NHK交響楽団★5月4日(日・祝)
会場:軽井沢大賀ホール 
問:軽井沢大賀ホールチケットサービス0267-31-5555 
*音楽祭の詳細は下記ウェブサイトでご確認ください。
http://www.ohgahall.or.jp