【CD】マラン・マレー『異国組曲』/アンサンブル・マレッラ

 フランスの名手が集うピリオド楽器グループによるマレーのヴィオール曲集。日本でも活躍するジラールのヴィオラ・ダ・ガンバを主体に、優雅かつ濃密な演奏が繰り広げられる。特に、マレーの26曲が調性等を鑑みて「聴きやすい進行となる様に」(ジラール)並べられ、長い2曲の前にドゥ=ヴィゼのテオルボ&ギター前奏曲が置かれるなど、工夫された構成が光っている。有名な「サント・ジュヌヴィエーヴ・デュ・モン教会の鐘」も、神谷未穂のヴァイオリンを加えて収録。これはとりわけ聴き応え十分だ。フランス・バロック&マレー独特の世界を満喫できる好盤。
文:柴田克彦
(ぶらあぼ2021年6月号より)

【information】
CD『マラン・マレー「異国組曲」/アンサンブル・マレッラ』

マレー:ヴィオール曲集第4巻「異国組曲」/ドゥ=ヴィゼ:テオルボ前奏曲、ギター前奏曲

アンサンブル・マレッラ
【エマニュエル・ジラール ローラン・デュブランシェ(以上ヴィオラ・ダ・ガンバ) セバスティアン・ドセ(チェンバロ) ティボー・ルッセル(テオルボ/バロック・ギター)】 
神谷未穂(ヴァイオリン)

ナミ・レコード
WWCC-7941 ¥2750(税込)