スズキ・メソード テン・チルドレンの50年記念コンサート

平和へのメッセージを発信


 「どの子も育つ」を合言葉に、約70年前に長野・松本で鈴木鎮一がスタートさせた才能教育研究会。音楽を軸に、子供たちの情操を培う独自の教育法は「スズキ・メソード」の名で、今や世界中に知られている。そんな教育法が、国際的に知られるきっかけとなったのが、選抜された子供たち10人による海外演奏ツアー「テン・チルドレンコンサート」。その第1回から50年となるのを記念して、OBやOGを交えた盛大なコンサートが東京で開かれる。
 1964年にスタートした「テン・チルドレンコンサート」は、30年間にわたって実施され、世界20カ国の384都市を訪問し、延べ483回のステージを開催。幼い子供たちが難曲をいとも簡単に、しかも音楽性豊かに奏でる姿は、人々を驚愕させた。その一方、日本からの平和のメッセージを込めた、文化交流や民間外交の役割も果たし、まさに「クール・ジャパン」の先駆けにも。参加したメンバーには、ヴァイオリンの大谷康子や竹澤恭子、ピアノの東誠三ら、今や一線で活躍する演奏家の名も多い。
 記念コンサートの第1部では、大谷や東をはじめ、かつての「テン・チルドレン」が数多く集結。創始者である鈴木鎮一のことや演奏旅行での思い出を語るほか、演奏もたっぷりと披露。続く第2部では、今、スズキ・メソードで学んでいる子供たち500人が登場し、「きらきら星変奏曲」をはじめとする、代表曲の数々を弾く。まさに「スズキ・メソード」の過去・現在・未来が交錯するステージ。天上にいる、鈴木の柔らかな笑顔も見えるようだ。
文:寺西 肇
(ぶらあぼ2014年2月号から)

★3月31日(月)・サントリーホール
問:才能教育研究会03-3295-1448(FAX) 
http://tenchildren.jp