第22回 ホテルオークラ音楽賞
葵トリオとカルテット・アマービレが受賞

 ピアノ三重奏の葵トリオと弦楽四重奏のカルテット・アマービレが第22回ホテルオークラ音楽賞を受賞した。同賞は1996年に創設。有望な音楽家を支援・育成し、日本の芸術文化発展を目指した奨励制度で、将来を嘱望される新進音楽家2組に授与される。

葵トリオ (C)Nikolaj Lund

 葵トリオは秋元孝介(ピアノ)、小川響子(ヴァイオリン)、伊東裕(チェロ)により2016年に結成。第67回ARDミュンヘン国際音楽コンクールのピアノ三重奏部門で日本人団体として初の優勝を果たし、現在はドイツを拠点に、演奏活動やCD録音など国内外で活躍している。「本格的な室内楽団体としてのピアノ三重奏団を志向し、室内楽本来の緻密なアンサンブルを追求している。また一般に知られていない隠れた名作の発掘に力を入れている点」などが評価されての受賞となった。

カルテット・アマービレ (C)T.Tairadate

 カルテット・アマービレは2015年に結成。メンバーは篠原悠那、北田千尋(以上ヴァイオリン)、中恵菜(ヴィオラ)、笹沼樹(チェロ)。第65回ARDミュンヘン国際音楽コンクールの弦楽四重奏部門第3位に入賞、あわせて特別賞(コンクール委嘱作品の最優秀解釈賞)を受賞。都内のホールでブラームスやベートーヴェンを中心としたシリーズに取り組むほか、様々なアーティストと共演を続けている。「彼らの演奏からは、弦楽四重奏の真髄に肉迫しようという強い意志が窺える。レパートリーも古典から現代まで幅広い」点が評価された。
 それぞれのジャンルで今後の活躍が期待される2組の受賞となった。


ホテルオークラ音楽賞
https://theokuratokyo.jp/letter/news/mecenat-music-2021_3/