前作『ドビュッシーーラモー』で約200年の時を隔てた二人の天才作曲家の鍵盤音楽を対話させ、そこから作品の真価を炙り出した新時代のコンポーザー・ピアニストによる、その続編的アルバム。ジャンルにとらわれない最先端アーティストが手掛ける瞑想的なリワーク作品は、ぜひ前作とも聴き比べを! 特に同郷アイスランドの鬼才ヘルギ・ヨンソンがドビュッシーの前奏曲「雪の上の足跡」を元に多重録音で作り上げた野心的な歌曲などは必聴。たとえ原曲でも、アップライトの内側にマイクを仕込んで録音したサウンドなどに思わず耳をそばだてて聴き入ってしまうはず。
文:東端哲也
(ぶらあぼ2021年4月号より)
【information】
CD『リフレクションズ/ヴィキングル・オラフソン』
ドビュッシー:前奏曲集第2巻第5曲「ヒース」、同第10曲「カノープ」、ピアノのために/ラニ:選ばれし乙女/ヨンソン:フットステップス(ドビュッシーの「雪の上の足跡」による)/バズーラ:水のミューズ(ラモーによる)/オラフソン:リフレクション(ドビュッシーの「ヒース」による即興) 他
ヴィキングル・オラフソン(ピアノ)
ハニャ・ラニ(ピアノ/エレクトロニクス)
ヘルギ・ヨンソン(ヴォーカル/シンセサイザー) 他
ユニバーサル ミュージック
UCCG-1881 ¥2800+税