【CD】パリ/ヒラリー・ハーン

 ショーソン「詩曲」ではうっすらと靄のかかった弦のサウンドの中から、独奏が哀愁を漂わせ歌いだす。しなやかで力強い独奏をオケがクッションのように柔らかく乗せて運んでゆき、また独奏を先導して霊妙な対話を聴かせる。プロコフィエフの協奏曲第1番では諧謔味、皮肉、グロテスクなユーモアを発する独奏が、最後にはオーケストラの透明なサウンドの中に溶けていく。ラウタヴァーラ作品は、作曲家の死後発見されたもの。第一曲では切々とした旋律が胸を打ち、第二曲では雄大な自然を前にしたような解放感の中を独奏が翔ける。選曲・演奏ともに素晴らしく、ハーンの代表作の一つとなろう。
文:江藤光紀
(ぶらあぼ2021年4月号より)

【information】
CD『パリ/ヒラリー・ハーン』

ショーソン:詩曲/プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第1番/ラウタヴァーラ:2つのセレナード

ヒラリー・ハーン(ヴァイオリン)
ミッコ・フランク(指揮)
フランス放送フィルハーモニー管弦楽団

ユニバーサル ミュージック
UCCG-45003 ¥2800+税