菊地裕介(ピアノ)

リゲティのエチュードに注目!

(C)Yukio Kojima
(C)Yukio Kojima

 演奏家としての足場が固まる30代半ばという年齢を迎え、コンサート活動だけでなく後進の指導にも精力的にあたるなど、充実した活動を続けるピアニストの菊地裕介。高校卒業とともにヨーロッパに留学、パリやハノーファーで名教師のもと学びながら、数々の国際コンクールで輝かしい実績を残す20代を過ごした。帰国後のクリエイティブな演奏活動は注目を集め、今や日本ピアノ界の期待を背負う存在だ。
 今回は、ムソルグスキー「展覧会の絵」をメインに据えたリサイタルを行う。明確な主張を持つ菊地のピアノが、奏者の解釈をくっきりと反映するこの作品をどのように表現するのだろうか。その他、ベートーヴェンのソナタ第17番「テンペスト」、フォーレのノクターンに加え、ここ数年積極的にレパートリーに取り入れているリゲティのエチュードも演奏。高い演奏技術だけでなく、音楽の構造に対する深い理解が要されるこの作品は、生で聴ける機会が少ない。実力派菊地の演奏で、ぜひ聴いておきたい。
文:高坂はる香
(ぶらあぼ2014年1月号から)

★2014年2月8日(土)・フィリアホール
問:アルペンミュージックオフィス03-6868-7292
http://www.alpenmusic.com/