堤剛 スペシャル・コンサート〜若きホープとともに〜

世代を超えた華麗なる競演

 桐朋学園大学の学長を長らく務めるなど、教育者としても知られるチェリスト、堤剛。彼が才能を認める若手と共演する室内楽の夕べが、銀座ヤマハホールのスペシャル・コンサートとして実現する。出演は堤のほか、昨年の日本音楽コンクールを制した会田莉凡(りぼん)(ヴァイオリン)、可憐な中にも凛とした輝きを放つ水野由紀(チェロ)、そして堤が室内楽の共演者として信頼を寄せる須関裕子(ピアノ)の3人。プログラムはバロックから現代までのソロ、デュオ、トリオをバラエティ豊かに配した。堤が2012年に初演した湯浅譲二のソロ作品、堤と水野によるボッケリーニの2台チェロ作品など、聴きどころが盛り沢山。だが、ハイライトはやはり、ベートーヴェン「街の歌」とメンデルスゾーンの第2番の2曲のトリオだろう。チェロ・パートを前者が水野、後者が堤と弾き分けるのも含め、瑞々しく充実した掛け合いをたっぷりと堪能できそうだ。
文:渡辺謙太郎
(ぶらあぼ2014年1月号から)

★2014年2月7日(金)・ヤマハホール
問:ヤマハ銀座ビルインフォーメション03-3572-3171
http://www.yamaha.co.jp/yamahaginza