第一生命ホール クァルテット・ウィークエンド ミロ・クァルテット

ラズモフスキーへの挑戦

(C)Nathan Russell
(C)Nathan Russell

 室内楽が盛んなアメリカが生んだ気鋭の弦楽四重奏団、ミロ・クァルテットが待望の再来日を果たし、その緻密なアンサンブルを披露する。1995年に結成されるや、翌年4月にコールマン室内楽コンクールを制したのを皮切りに、バンフ国際弦楽四重奏コンクールなど、短期間のうちに次々と名だたる登竜門を制して、一躍スターダムへ。ベルリンやウィーンをはじめ、世界の檜舞台で活躍を続けている。新たにメンバーへ加わった、セカンド・ヴァイオリンのウィリアム・フェドケンホイヤーのお披露目でもある今回の来日公演。4人が「個人的にも、技術面でも、音楽的にも挑戦」と位置付けるベートーヴェン中期の傑作「ラズモフスキー」全3曲(弦楽四重奏曲第7番〜第9番)を一気に披露する。折しも、発表したばかりの同曲のアルバム(米Longhornレーベル)が「精緻さと歌心が共存する好演」と話題に。ライヴならではの鮮烈さが加味されることで、さらに刺激的な“ベートーヴェン体験”が期待できそう。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2014年1月号から)

★2014年2月1日(土)・第一生命ホール
問:トリトン・アーツ・ネットワーク・チケットデスク03-3532-5702
http://www.triton-arts.net