府中の森クラシックコレクション 舘野 泉(ピアノ) 演奏生活60周年記念リサイタル

年輪を重ねた音楽家の奏でる滋味深い音色を味わう

C)Akira Muto
 今や「左手のピアニスト」などという言葉も不要、磨き抜かれた音色で唯一無二の美的世界を顕現させる舘野泉。その舘野は2020年で演奏生活60年を迎えたが、これを記念して来たる2月20日に府中の森芸術劇場 ウィーンホールにてリサイタルが催される(20年6月からの延期公演)。

 プログラムは近年の舘野が折に触れて弾き込んでいる得意曲が揃う。すでにCDも存在する吉松隆の「アイノラ叙情曲集」「タピオラ幻景」からのセレクション及び林光「花の図鑑・前奏曲集(全8曲)」、さらに先の10、11月のツアーで初演された新作、パブロ・エスカンデの「悦楽の園」と光永浩一郎の「海と沈黙」。そしてここ数年の舘野のリサイタルでも取り上げられてきた久保禎「左手の祈り」とユッカ・ティエンスーの「EGEIRO」。すべてが舘野に献呈、または舘野が委嘱した傑作であり、今回のリサイタルではさらに練り上げられた名演が期待できるだろう。
文:藤原 聡
(ぶらあぼ2021年1月号より)

*当初発表されていた曲目に一部変更がございます。詳細は下記ウェブサイトでご確認ください。

2021.2/20(土)14:00 府中の森芸術劇場 ウィーンホール
問:チケットふちゅう042-333-9999 
http://www.fuchu-cpf.or.jp/theater/