在京著名楽団を中心とするモダン・オーケストラの奏者たちが2016年に結成した、日本初の本格的ナチュラルホルンアンサンブルのデビュー・アルバム。古典派時代のイタリアの作曲家ベッローリ(四重奏曲第2番はなかなかの充実作)とドイツ・ロマン派のアントン・リヒターの珍しい作品から、ライヒャとロッシーニの定番作品、ドイツのクロルの現代作品まで、三、四、六重奏の多様な音楽が耳を喜ばせる。古雅で柔らかな独特のサウンドはことのほか愉しく、アンサンブルも精妙かつ豊潤。一般ファンにも同楽器の魅力や可能性を満喫&再発見させてくれる。
文:柴田克彦
(ぶらあぼ2020年12月号より)
【information】
CD『re-Discovery/ナチュラルホルンアンサンブル東京』
ベッローリ:ホルン四重奏曲第2番/ライヒャ:24の三重奏曲より第1集/リヒター:3本のホルンのための6つの小品/クロル:バースラー・ロマンツェ/ロッシーニ:「狩の集い」4本のホルンのためのファンファーレ 他
ナチュラルホルンアンサンブル東京
【藤田麻理絵 大森啓史 大野雄太 下田太郎 伴野涼介 塚田聡(以上ホルン)】
コジマ録音
ALCD-3118 ¥2800+税