飯守泰次郎(指揮) 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

レジェンドと未来を拓く新鋭の共演


 東京シティ・フィルは2021年1月から定期演奏会をサントリーホールで開催する。その最初のコンサートに、桂冠名誉指揮者・飯守泰次郎が登場し、チャイコフスキーの交響曲第5番などを取り上げる。飯守といえば、ドイツ音楽を十八番としているが、チャイコフスキーやドヴォルザークなどのスラヴ音楽にも定評がある。とりわけチャイコフスキーは、東京シティ・フィルと(1997年から務めていた常任指揮者としての最後のシーズンだった)2011年から12年にかけて交響曲の全曲演奏を行い、それらは交響曲全集としてCD化されている。あれから約10年を経て、ますます円熟味を増す飯守が、長年にわたってコラボレーションを重ねてきた東京シティ・フィルとどのようなチャイコフスキーの交響曲第5番を聴かせてくれるのか、とても楽しみである。

 また、演奏会の前半では、新進気鋭のピアニスト、亀井聖矢の登場に注目。亀井は、愛知県立明和高校音楽科2年修了後、飛び入学特待生として桐朋学園大学に入学。昨年の日本音楽コンクール・ピアノ部門およびピティナ・ピアノコンペティション特級に17歳(大学1年)で優勝した俊英である。日本音楽コンクールとピティナ・ピアノコンペティションのファイナルではともにサン=サーンスのピアノ協奏曲第5番「エジプト風」を演奏した個性派。「最近はショパンに惹かれる」という亀井が、ショパンのピアノ協奏曲第1番でも才気あふれる演奏を聴かせてくれるに違いない。
文:山田治生
(ぶらあぼ2020年10月号より)

第339回 定期演奏会 
2021.1/29(金)19:00 サントリーホール
問:東京シティ・フィル チケットサービス03-5624-4002 
https://www.cityphil.jp