ミュンヘン国際音楽コンクール・ハープ部門第2位、リリー・ラスキーヌ国際ハープコンクールで優勝という快挙を成し遂げ、ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団の首席ハーピストを経て、現在は日本を中心に活躍する山宮るり子のアルバム第2作目。まさにハープの表現力と魅力が惜しげもなく開陳された素晴らしい出来栄え。かなりのアレンジが施されながらも原曲に劣らぬ魅力を放つ「モルダウ」のハープ・ソロ版、センシティヴな歌いくちが堪らぬグルックとドビュッシー、そして圧倒的な技巧を披露しながらも常に余裕に満ち、詩的なグランジャニー…。山宮の卓越した実力がたっぷり堪能できよう。
文:藤原 聡
(ぶらあぼ2020年10月号より)
【information】
CD『プリエール―モルダウ/山宮るり子』
スメタナ:モルダウ(H.トゥルネチェクによるハープ編)/加藤昌則:ケルト・スピリッツ/ボクサ:ロッシーニの歌劇《セビリアの理髪師》より〈そっと静かに〉に基づくロンド/グルック:聖霊の踊り/グラナドス:オリエンタル/ドビュッシー:月の光/グランジャニー:ラプソディ 他
山宮るり子(ハープ)
奥村愛(ヴァイオリン)
オクタヴィア・レコード
OVCL-00731 ¥3000+税