トリオ・リベルタ in Bunkyo

猛者たちの20年の歩みを凝縮した一夜

左より:中岡太志、松原孝政、石田泰尚

 トリオ・リベルタというグループ名を目にして、アストル・ピアソラの名曲「リベルタンゴ」を思い出していただけると手っ取り早い。今年で結成20年。アグレッシブ&官能美あふれるこのトリオは、ピアソラのナンバーを軸に演奏するアンサンブルとして2000年に結成されているからだ。

 神奈川フィルの首席ソロ・コンサートマスターや、自身の弦楽アンサンブル「石田組」等の多彩な活動がアツい石田泰尚、優れたアンサンブル・ピアニストでありながら心惹かれる声でヴォーカリストも務める中岡太志、クラシックを軸にさまざまなジャンルの音楽へと命を吹き込むサクソフォンの松原孝政。この3人が20年間で構築してきたレパートリーは、タンゴのみでも70曲に迫り(うちピアソラが半分以上を占める!)、ジャズ、ワールド・ミュージック、クラシック、映画音楽など実に多種多様。アグレッシブなリズムとやや愁いのあるメロディが似合う初秋の10月5日、東京・文京シビックホールで行われるライブは、その中からエッセンスをギュッと絞ってさらに濃厚な味わいに仕上げたようなコンサートだ。

 予定されている曲はモーツァルト、ラフマニノフ、ガーシュウィン、ピアソラ、映画『ピンク・パンサー』のテーマ、ラテンやタンゴの名曲など。結成20周年をみんなで祝うスペシャル・ナイトは、音楽の素晴らしさを心から感じられるひとときになるだろう。
文:オヤマダアツシ
(ぶらあぼ2020年9月号より)

2020.10/5(月)19:00 文京シビックホール 
8/23(日)発売
問:シビックチケット03-5803-1111 
https://www.b-academy.jp

※振替公演のため、3月号掲載の記事を一部改変のうえ再掲しました。