懐かしくも細やかな色彩あふれる通崎ワールド全開のプログラム
木琴という楽器でジャンルを超越した音楽とカラフルな音を紡ぎ出し、聴き手を楽しく、ときにはノスタルジックな気分へと誘ってくれる通崎睦美。通算で149回を迎える銀座・王子ホールの人気シリーズ「銀座ぶらっとコンサート」へ登場する彼女がテーマにするのは、『過ぎ行く夏を楽しむサマーフェスタ』だ。今年の前半は閉塞感の強い毎日を送った分、開放的な気分になるであろう夏を惜しむような8月下旬に、都会の中でちょっとしたミニ音楽祭を楽しめるようなプログラムである。
オリエンタルなラヴェルの曲やモンティの「チャールダーシュ」ほかクラシックの作品、ミュージカル『サウンド・オブ・ミュージック』の中で歌われる可憐な「エーデルワイス」、発見に満ちたルネサンス時代の音楽、「春の海」や「リンゴの唄」など日本の名曲、ピアソラのタンゴ・ナンバー等々…素敵な音楽にジャンルは無用。すべてが通崎睦美ワールドの音楽であり、1曲1曲がこの夏の光景を振り返るテーマ音楽かもしれない。
そのガイド役である通崎のほか、ゲストとして現代の作品なども手掛ける箏奏者の西陽子と、多彩な音色で空気に色を付けるアコーディオン奏者の松原智美が登場。昼下がりのひとときをリラックスして過ごしたい方に、(このシリーズの人気スイーツであるヨックモックのお菓子が味わえるティータイムも含め)楽しんでいただきたいコンサートだ。
文:オヤマダアツシ
(ぶらあぼ2020年8月号より)
2020.8/26(水)13:30 王子ホール
問:王子ホールチケットセンター03-3567-9990
https://www.ojihall.jp