アーティストメッセージ(6)〜天児牛大(山海塾主宰、振付家、演出家)

左:天児牛大 C)Shintaro Shiratori
右:『ARC 薄明・薄暮』より

 昨年春に北九州芸術劇場で山海塾は新作『ARC 薄明・薄暮』を初演。その後パリ公演、サンパウロ公演を経て、この5月の東京、世田谷パブリックシアターの公演に向かっていたところでした。

 しかし、あっと言う間の予想もしないウイルスの蔓延により、体験したことがない、まるで中世の時代に引き戻されたような、目に見えないベールに包まれている現状となりました。公演の延期あるいは中止と向き合い、否応なく静かな生活をおくる日々です。

 日本での公演に限らず、海外の劇場や芸術祭も同じく開催の先行きは見えていません。
 劇場は、人と人との出会いの場であり、人のもつエネルギーを集約させた作品は、ライブという一点に向けた集中であることを再認識しています。ポジティブな気持ちの後に再び皆様とお会い出来ることを願っております。


*山海塾は、今月、世田谷パブリックシアターで上演予定だった『海の賑わい 陸の静寂―めぐり』(2015年世界初演、IO-factory 2019年制作)を5月20日(水)24時まで期間限定で無料配信中。