低音管楽器の豊かな表現力と妙技に酔う
2002年に創設され、現在は北欧音楽に造詣の深い新田ユリを常任指揮者に迎え、定期演奏会やファミリーコンサート、オペラなどで目覚ましい演奏活動を行っている愛知室内オーケストラが、このたび低音管楽器をフィーチャーした「Super Pedalist Series」という新たなコンサート・シリーズを立ち上げる。第1回目となる今回は、現在クリーヴランド管弦楽団及びサイトウ・キネン・オーケストラのテューバ奏者を務める杉山康人を招いて、ヴォーン・ウィリアムズの「バス・テューバと管弦楽のための協奏曲」が披露される。この楽器のための協奏曲自体数が少ないが、なかでも一番有名なのはこの作品である。それだけにジョン・フレッチャーやアーノルド・ジェイコブスといった稀代の名手も録音しているけれど、実演で耳にする機会にはなかなか遭遇できるものではない。他にもエルガーやディーリアス、ホルストなどを配したオール・イギリス・プロ、指揮は俊英・垣内悠希。これは聴き逃し厳禁の意欲的プログラムだ。
文:藤原 聡
(ぶらあぼ2020年6月号より)
*新型コロナウィルス感染症の感染拡大を考慮し、本公演は延期となりました。
振替公演についての詳細は下記ウェブサイトでご確認ください。
2020.6/18(木)18:45 三井住友海上しらかわホール
問:愛知室内オーケストラ052-684-5355
https://www.ac-orchestra.com