仲道郁代 ベートーヴェンへの道 全6回 ベートーヴェン 鍵盤の宇宙 第3回「ベートーヴェンと北斎」

同時代に生きた偉大なる画家・北斎から読み解く楽聖の創造的精神

C)Kiyotaka Saito

 「洋の東西を超えた偉人たちとの対比を通し、ベートーヴェンの生涯・音楽を読み解く」というコンセプトで昨年スタートした、3年間全6回にわたるプロジェクト「仲道郁代 ベートーヴェンへの道」。これまでナポレオンやヘーゲルなど興味深い人物を対比させてきたが、第3回では海をわたり、ベートーヴェンと同時代の日本に生きた葛飾北斎を取り上げる。

 二人に共通するのは、まず、それぞれの芸術分野で革命的な成果を残し、後世に大きな影響を与えたこと。それに加えて、引越し魔だったということがある。
 そこで今回は、「転居が新たな創作意欲を刺激」し、エネルギーの源となったかもしれないというおもしろい観点で演奏、そしてナビゲーターに文筆家・文化芸術プロデューサーの浦久俊彦を迎えたトークが繰り広げられる。

 仲道にとって、ベートーヴェンは特別な作曲家だ。何度もピアノ・ソナタ全曲演奏に取り組むなか、作品に共感するだけでなく、構造を理解し、ある音をそのように弾く意味を追究してきたという。今回は、第21番「ワルトシュタイン」、第23番「熱情」、第25番という3つのソナタで、ベートーヴェンの姿と精神を浮かび上がらせる。

 知的好奇心を刺激するトークと、語られた内容にぴたりと合致する説得力のある演奏から、新しい発見を持ち帰ることができるだろう。Hakuju Hallというピアノに最適な響きのなか、仲道の演奏を聴けることも贅沢だ。
文:高坂はる香
(ぶらあぼ2020年6月号より)

*新型コロナウィルス感染症の感染拡大を考慮し、本公演は中止となりました。なお、来年以降の実施に向けて再度調整中です。(6/2主催者発表)
詳細は下記ウェブサイトでご確認ください。

2020.7/4(土)15:00 Hakuju Hall
問:Hakuju Hallチケットセンター03-5478-8700 
https://www.hakujuhall.jp