山中明日菜は東京音楽大学を卒業後、フランスをはじめヨーロッパで研鑽を積んだピアニスト。イタリアの音楽祭に招かれるなど国際的な演奏活動を展開。また、岡山を拠点に後進の指導にあたりながら、現在もガブリエル・タッキーノのもとで定期的に研鑽を積んでいる。当盤はこれまでの活動の集大成ともいえるもの。プログラムは山中のレパートリーでも重要なショパンとリストで、輪郭のはっきりとした彼女の音色は、旋律の美しさが際立つ作品を魅力的に響かせている。特にショパンのピアノ・ソナタ第3番では絶妙なテンポの緩急、和声変化の繊細な扱いを聴かせてくれる。
文:長井進之介
(ぶらあぼ2020年5月号より)
【information】
CD『ショパン&リスト/山中明日菜』
ショパン:ピアノ・ソナタ第3番、ノクターン第8番、スケルツォ第2番/リスト:愛の夢 第3番、スペイン狂詩曲
山中明日菜(ピアノ)
ナミ・レコード
WWCC-7919 ¥2500+税