千住 明 総合プロデュース「伝統と革新」 オペラ《万葉集》 〜明日香風編、二上山挽歌編

万葉人の美しき感性を作曲者自身の指揮で表現

千住 明
C)Yoshihiro Kawaguchi
 2009年の初演以来、日本オペラとしては異例と言っていい10回以上の再演を重ねてきた千住明作曲・黛まどか台本によるオペラ《万葉集》。この3月に、オリンピック・パラリンピックを記念した「日本博」の文化プログラムのひとつである「群馬県戦略的文化芸術創造事業」として、高崎芸術劇場で上演される。合唱団が一般市民から公募で集められているのも地方創生の一環といえる。

 オペラ《万葉集》は歌人である額田王を主人公にした「明日香風編」と、天武天皇の子どもである大津皇子と大伯皇女の悲劇を描いた「二上山挽歌編」の2作から成る。今回は、千住自身の指揮、オーケストラは14年の定期演奏会で本作を取り上げている群馬交響楽団。ソリスト陣はソプラノ・小林沙羅、メゾソプラノ・谷口睦美、テノール・鈴木准、バリトン・与那城敬という日本語歌唱に長けた実力派が揃った。クリエイティブディレクターの田村吾郎が手がける映像も加わり、「日本の美」を音楽とヴィジュアル両面から存分に堪能できる舞台となることを期待したい。
文:室田尚子
(ぶらあぼ2020年3月号より)


*新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、本公演は中止となりました。(2/28主催者発表)
詳細は下記ウェブサイトでご確認ください。

2020.3/27(金)19:00 高崎芸術劇場
問:SAP(エス・エー・ピー)03-6912-0945
https://www.sap-co.jp/event/management/