美音で奏でるクリスタルな感触
植村理葉は、ミケランジェロ・アバド国際ヴァイオリンコンクール第1位など、国内外のコンクールに多数入賞、日本とドイツを拠点にソリストとして活躍している。ヨーロッパでオーケストラと共演した数は90回を超える。CDはドイツ・ソニーの他、カメラータ・トウキョウから2枚発売され、音楽専門誌で特選・推薦ディスクに選ばれた。
リサイタルは、田園的なベートーヴェンの「ピアノとヴァイオリンのためのソナタ第10番」に始まり、美しい旋律で彩られたシューベルトの「ヴァイオリンとピアノのためのソナタ イ長調」が続く。後半は、静謐な美しさに満ちたヘンツェの「ヴァイオリンとピアノのための5つの夜曲」に注目したい。最後はシューマンがブラームス、ディートリヒと共作した「F.A.E.ソナタ」の自作楽章に2つの楽章を追加してまとめた「ヴァイオリンとピアノのためのソナタ第3番」が演奏される。“音が美しく、表現が明澄で、清潔な音楽をつくる”と、ヨーロッパの新聞で絶賛された植村の名演を楽しみにしたい。共演はピアノの佐藤彦大。
文:長谷川京介
(ぶらあぼ2020年3月号より)
2020.4/12(日)14:00 東京文化会館(小)
問:ミリオンコンサート協会03-3501-5638
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