名手たちが集った上質なアンサンブルの悦楽
長崎県佐世保市で意欲的な自主企画を展開するアルカスSASEBO。その活動の柱のひとつが、2016年に結成された「チェンバー・ソロイスツ・佐世保」である。音楽監督は新日本フィルのソロ・コンサートマスターをはじめ各地の楽団で活躍する豊嶋泰嗣。国内外で活躍するソリストや、日本各地のオーケストラのコンサートマスター、首席奏者たちをメンバーとする、佐世保発の室内オーケストラだ。
そのチェンバー・ソロイスツ・佐世保が、2月23日、アルカスSASEBO 中ホールで公演を行う。プログラムはバッハのブランデンブルク協奏曲第6番、チェンバロ協奏曲第4番、2つのヴァイオリンのための協奏曲、メンデルスゾーンのヴァイオリンと弦楽のための協奏曲、そしてモーツァルトの「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」。バッハの多彩な協奏曲に、若き日のメンデルスゾーンの協奏曲とモーツァルトのもっとも広く知られる傑作が組み合わされる。ソリストにはチェンバロの中野振一郎、ヴァイオリンの漆原啓子、南紫音を招く。ソリストたちはオーケストラのメンバーとしても演奏する。
日本を代表する精鋭ぞろいの室内オーケストラだけに、高水準の演奏がくりひろげられることはまちがいない。室内楽専用の中ホールで聴けるとあって、親密なアンサンブルを心ゆくまで楽しめるだろう。終演後にはロビーで交流会も開かれる。聴衆と出演者の距離の近さを実感できそうだ。
文:飯尾洋一
(ぶらあぼ2020年2月号より)
2020.2/23(日・祝)14:00 アルカスSASEBO(中)
問:アルカスSASEBO 0956-42-1111
http://www.arkas.or.jp