カーチュン・ウォン(指揮) 日本フィルハーモニー交響楽団

話題のカーチュン、マーラー「5番」で初登場!


 インキネンにラザレフ、小林研一郎、山田和樹というタイプの違った名指揮者陣を擁し、幅広い表現力を獲得している日本フィル。その効果は客演指揮者による定期演奏会の好調ぶりでも明らか。去る12月にはアレクサンダー・リープライヒのもと、欧州の楽団のような鮮烈かつ豊麗なサウンドを実現し、見事な名演を披露したことは記憶に新しい。

 3月の定期には、1986年シンガポール生まれのカーチュン・ウォンが客演する。2016年第5回グスタフ・マーラー国際指揮者コンクール優勝、18年9月にはニュルンベルク交響楽団首席指揮者に就任し、世界的に注目を集めている若きマエストロ。旋律をよく歌わせて高揚感も十分な音楽づくり、そして誠実な人柄で、常に共演楽団の評判も良いという。その力量への期待は、日本フィルが今回初共演で東京定期、しかもマーラーの交響曲第5番を任せるということからもひしひしと伝わる。冒頭の葬送から最後の熱狂まで、複雑な感情が交錯する大曲だが、作曲者の名を冠するコンクールを制したウォンの名演に期待が募る。

 前半は20世紀アルメニアの作曲家アルチュニアンのトランペット協奏曲。この人気作品のソロを務めるのは、同団ソロ・トランペット奏者のオッタビアーノ・クリストーフォリ。09年入団以来、輝かしい名奏を重ねて存在感抜群の名手だが、1986年イタリア生まれ、まだ30代前半の俊英だ。しかもウォンとは同い年ということで、若々しい勢いと経験豊かな貫禄を併せもつふたりによる、息の合った快演が楽しみだ。
文:林 昌英
(ぶらあぼ2020年2月号より)

第718回 東京定期演奏会〈春季〉
2020.3/6(金)19:00、3/7(土)14:00 サントリーホール
問:日本フィル・サービスセンター03-5378-5911 
https://www.japanphil.or.jp

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