【CD】アーベントリート/三界秀実&加藤洋之

 都響の首席クラリネット奏者によるロマン派の作品集。シューマンとヴィンディング(ブラームスと同世代のデンマークの作曲家)のオリジナル曲は、憂いを帯びた音色と繊細な表情で耳を惹き付け、アンコール的に置かれたタイトル曲もしみじみとした味わいで魅了する。だが白眉は「アルペジョーネ・ソナタ」だ。ここで三界はバセット・クラリネットを用いて陰影と深みのある演奏を展開。同楽器のたっぷりした音も相まって、魅力的なオリジナル曲出現の感すら抱かせる。中でも哀感が滲む第2楽章は聴きもの。全体にバランス絶妙かつ雄弁な加藤のピアノも光る。
文:柴田克彦
(ぶらあぼ2020年2月号より)

【information】
CD『アーベントリート/三界秀実&加藤洋之』

シューマン:幻想小曲集 op.73、アーベントリート/ヴィンディング:3つの幻想的小品/シューベルト(三界秀実編):アルペジョーネ・ソナタ

三界秀実(クラリネット/バセット・クラリネット)
加藤洋之(ピアノ)

マイスター・ミュージック
MM-4071 ¥3000+税

  • La Valseの最新記事もチェック

    • ソウルのソさんを訪ねて | 川口成彦のフォルテピアノ・オデッセイ 第7回
      on 2020/02/17 at 01:00

      2018年、第1回ショパン国際ピリオド楽器コンクールで見事第2位に入賞し、一躍脚光を浴びた川口成彦さん。現在、アムステルダムを拠点に演奏活動をおこなう傍ら、世界中の貴重なフォルテピアノを探し求めて、さまざまな場所を訪ね歩いています。この連載では、そんな今もっとも注目を集める若きフォルテピアノ奏者による、ほかでは読めないフレッシュな情報満載のレポートを大公開します! 第7回 ソウルのソさんを訪ねて [&#8230 […]