超絶技巧のカリスマが奏でるショパン&リスト
2000年代より毎年のように来日公演を行い、武蔵野音楽大学で後進の指導にもあたるなど、日本での精力的な活動を行ってきたケマル・ゲキチ。幅広い音楽様式に精通し、多彩なプログラムで多くのファンを魅了しているが、クロアチア出身の彼の名を一躍世界に轟かせたのは第11回ショパン国際ピアノコンクールでの聴衆からの熱狂的な支持である。来たる20年秋には第18回の同コンクールが音楽界を賑わせることになるが、ゲキチはそれに先立ち1月のかつしかシンフォニーヒルズでの公演にて、スケルツォ、ノクターン、バラード、エチュード、ポロネーズなどを披露。多様なショパン像を浮かび上がらせてくれる。今回はこのほか、奈良、山形、秋田、岩手、神奈川をめぐるツアーを予定しており、リスト演奏の第一人者としても名高い彼がハンガリー狂詩曲を聴かせる公演もある。溢れる詩情と余裕に満ちた超絶技巧、そんなロマン派のピアノ語法に、ゲキチの至芸を通じて出会いたい。
文:飯田有抄
(ぶらあぼ2020年1月号より)
2020.1/18(土)13:30 かつしかシンフォニーヒルズ アイリスホール
問:プロアルテムジケ03-3943-6677
https://www.proarte.jp
※全国公演の詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。