1999年からベルリン・フィルの首席トロンボーン奏者を務めるオラフ・オットによる、全編オルガンとのアルバム。同編成の「オリジナル」(1曲はピアノ伴奏が原曲)、オルガンとのコラボならではの「教会音楽」、やはり相性が良い「バロック音楽」の3本立てという筋の通ったプログラミングがなされている。オットの壮麗にして豊潤な音はオルガンと絶妙にマッチ。深みがあってスケールが大きい、文字通りの“シンフォニック”な音楽が続いていく。同楽器の大定番ヘンデルの協奏曲をはじめとするスムーズなフレージングも感嘆の一語。荘厳かつ美しい好ディスクだ。
文:柴田克彦
(ぶらあぼ2020年1月号より)
【information】
CD『シンフォニック・トロンボーン/オラフ・オット』
ギルマン:交響的断章/コック:トロンボニア/ハーン:十人の乙女のたとえ/ヘンデル:協奏曲ヘ短調 HWV287/ヴィヴァルディ:ソナタ第1番 RV47、ラルゴ〜「協奏曲 ハ長調」RV443より/マルチェッロ:ソナタ第4番 op.1-4/クロル:シンフォニア・サクラ「イエス、わが喜び」
オラフ・オット(トロンボーン)
徳岡めぐみ(オルガン)
録音研究室(レック・ラボ)
NIKU-9024 ¥2800+税