藤岡幸夫(指揮) 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

パワフルかつレアな「第九」公演

上段左より:藤岡幸夫 C)HIKAWA/安藤赴美子 C)Shingo Azumaya/林 美智子 C)Toru Hiraiwa
下段左より:城 宏憲/小森輝彦/鈴木崇弘

 このところ東京シティ・フィルが好演を続けている。2015年常任指揮者に就任した高関健のもとでクオリティも大幅アップ。それに何より“音楽を聴かせる”意欲を感じさせる点が素晴らしい。そうした向上の成果を明確に実感できるのが年末の「第九」公演だ。昨年は高関が堅牢かつ雄弁な名演を展開したが、今年は代わって藤岡幸夫が指揮をとる。

 今年4月に同楽団の首席客演指揮者に就任した藤岡は、7月定期のウォルトンや、8月のミューザ川崎における芥川也寸志の交響曲などで、力感あふれる快演を繰り広げている。彼の持ち味は情熱とパワー。それが現在の東京シティ・フィルとうまくマッチし、生気と濃密さを併せ持った演奏が実現していると言えるだろう。それだけに今年は、パッショネイトで濃厚かつ高精度の「第九」が期待される。なおソリストには、安藤赴美子、林美智子、城宏憲、小森輝彦とトップクラスの人気歌手が揃い、同楽団の声楽もので高評を得ている東京シティ・フィル・コーアもその実力を遺憾なく発揮する。

 また近年の同楽団の「第九」公演は、日本管打楽器コンクールの覇者がソロを吹く協奏作品が名物演目。今年は18年のトロンボーン部門第1位に輝いた鈴木崇弘(新日本フィル奏者)が、アメリカの作曲家エワイゼンの「バス・トロンボーンのための狂詩曲」を披露する。1997年に書かれたこの曲は、幻想的な趣が漂う全3楽章の作品。ことのほか豊麗なバス・トロンボーン音楽のレア体験も、本公演ならではの楽しみとなる。同曲も含めてこの唯一無二の「第九」公演に、皆こぞって足を運びたい。
文:柴田克彦
(ぶらあぼ2019年12月号より)

第九特別演奏会 2019 
2019.12/28(土)15:00 東京文化会館
問:東京シティ・フィル チケットサービス03-5624-4002 
https://www.cityphil.jp/

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