紀尾井ホール室内管弦楽団 2020年度定期演奏会

ホール創立25周年にふさわしく絢爛たる“祝祭”をテーマに

C)ヒダキトモコ

 来年、創設25周年を迎える紀尾井ホール室内管弦楽団(KCO)が2020年度の定期演奏会のプログラムを発表した。17年以来首席指揮者を務めるライナー・ホーネックは、6月と21年2月に登場する。6月は、ホーネックが弾き振りするブラームスのヴァイオリン協奏曲が聴きもの。ウィーン・フィルのコンサートマスターの中でも最もベテランとなった彼の至芸が満喫できるだろう。前半には、ドヴォルザークの「管楽セレナード」とブルックナーの弦楽五重奏曲より「アダージョ」(弦楽合奏版)が演奏され、名手揃いのKCOの管と弦の魅力がそれぞれに味わえる。21年2月は、モーツァルトを中心としたプログラム。ホーネックがコンサートマスター席からリードするディヴェルティメント第15番K.287が楽しみ。

 客演指揮は3人。ドレスデン出身で、古楽やオペラにも造詣の深い、名匠ハルトムート・ヘンヒェンはハイドンの大作「天地創造」を振る。オーストラリア室内管弦楽団の芸術監督を務め、モダンにも古楽にも精通するリチャード・トネッティは、ハイドンの「ロンドン」、モーツァルトの「ジュピター」と巨匠二人の最後の交響曲に加え、キラルの「オラヴァ」、武満徹の「ノスタルジア」を組み合わせた彼らしい選曲。武満作品では自らヴァイオリン独奏も披露。ウィーン出身で、ウィーン国立歌劇場の常連でもある、サッシャ・ゲッツェルは、ベートーヴェン、ツェムリンスキー、ベルク、シューマンという独墺プロ。シューマンの交響曲第4番(初稿版)にも注目だ。
文:山田治生
(ぶらあぼ2019年11月号より)

*新型コロナウィルス感染症の感染拡大を考慮し、一部公演に開催の中止が発表されております。
詳細は下記ウェブサイトでご確認ください。

問:紀尾井ホールチケットセンター03-3237-0061 
http://www.kioi-hall.or.jp/kco2020/
※各公演の詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。