石井啓子アンサンブルシリーズXXX

節目の30回にはベートーヴェンと近代ロシアの逸品を

 ピアニストの石井啓子は東京藝術大学大学院を修了後、ミュンヘン国立音楽大学に留学。ドイツで演奏活動を行ったのちに帰国し、ソロリサイタルの開催や協奏曲のソリスト、室内楽奏者と幅広い演奏活動を展開してきた。特に石井は室内楽に力を入れており、ヴァイオリニストの石井啓一郎とのデュオリサイタルは全国50数都市に及んでいる。そして現在の彼女の活動の中で核となっているのが1987年から毎年開催しているアンサンブルシリーズ。多彩かつ意欲的なプログラミングと各奏者の高い技術、精度の高いアンサンブルによって各方面から高い評価を受けており、今回で遂に30回の節目を迎える。ヴァイオリンに石井啓一郎、石突美奈、チェロに桜庭茂樹、そしてフルートに石井陽子を迎え、ショスタコーヴィチにプロコフィエフ、そしてベートーヴェンと、個々の実力はもちろん、アンサンブルの緻密さが求められる難曲揃いだが、期待以上の内容で聴かせてくれることだろう。
文:長井進之介
(ぶらあぼ2019年10月号より)

2019.11/20(水)19:00 東京文化会館(小)
問:プロアルテムジケ03-3943-6677 
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