横須賀芸術劇場リサイタル・シリーズ57 ラファウ・ブレハッチ ピアノ・リサイタル

ショパン・コンクールで完全優勝を遂げた名手による貴重なリサイタル

C)Marco Borggreve

 繊細そうな雰囲気を漂わせていた初来日の頃から16年。来日のたびにますます確信に満ちた演奏を聴かせるブレハッチが、横須賀芸術劇場リサイタル・シリーズに出演する。

 プログラムには、古典派からロマン派にわたる、ピアニストにとって大切な作曲家のソナタや小品が並ぶ。モーツァルトのロンドK.511やソナタ第8番K.310、ベートーヴェンのソナタ第28番、シューマンのソナタ第2番では、優しい表現の中に、力強さ、情熱が宿った音楽で、今のブレハッチの多様な側面を聴くことができそう。

 そして、2005年のショパン・コンクールに優勝した後も幅広くレパートリーを広げてきた彼とはいえ、やはりそのショパンは格別だ。特に「4つのマズルカ」op.24では、懐かしい風景を回想するような心情を存分に味わえるだろう。

 約1年半ぶりの来日となる今回、東京都内のホールで彼の演奏が行われるのはコンチェルト公演のみなので、ソロを聴ける貴重なステージとなる。
文:高坂はる香
(ぶらあぼ2019年7月号より)

2019.11/17(日)15:00 よこすか芸術劇場
問:横須賀芸術劇場046-823-9999
https://www.yokosuka-arts.or.jp/