平日の昼間に格別のモーツァルト体験を
かつしかシンフォニーヒルズのコンサートシリーズ「作曲家の秘密 シーズンI」。第1回のバッハ、第2回ラヴェルに続き、第3回はモーツァルトが特集される。登場するのは、2002年第8回モーツァルト国際コンクールにて日本人初の優勝者として輝いて以来、精力的な活動を続けるピアニスト、菊池洋子。多彩な音色で幅広いレパートリーを有し、室内楽や協奏曲の経験も積む菊池のピアノの響きは、知性のきらめきを感じさせる。曲想の変化を精彩に表現する力に満ちており、モーツァルトの独奏曲の魅力をみずみずしく伝えてくれる。
今回取り上げるのは、最も有名なハ長調のソナタ K.545、「きらきら星変奏曲 K.265」といった、ピアノ学習者の間でもよく弾かれる作品。菊池のピアノが作品の輝きをいかに伝えてくれるか楽しみだ。ワンセットで演奏されることも多いハ短調の幻想曲 K.475とソナタ K.457では、モーツァルトの美しい悲哀も聴かせてくれることだろう。
文:飯田有抄
(ぶらあぼ2019年10月号より)
2019.11/20(水)13:30 かつしかシンフォニーヒルズ アイリスホール
問:かつしかシンフォニーヒルズ03-5670-2233
https://www.k-mil.gr.jp/