小松亮太(バンドネオン) デビュー15周年記念 スペシャルライヴ タンゴ人生、ジャバラ三昧〜俺の15年

今までの活動を凝縮したステージ

 タンゴ界を牽引するバンドネオン奏者・小松亮太が、今年デビュー15周年の節目を迎えた。それを記念して行われる今回の公演は、タンゴの本流から映画・TVの作曲まで幅広く手がける小松の活動を凝縮したプログラムになっている。
 たとえば、TBS「THE 世界遺産」でおなじみの鳥山雄司「THE SONG OF LIFE」と、小松の自作曲「風の詩」のメドレー。あるいは、デビューから10年以上も温めて発表した渾身のアルバム『蒼空』(1940〜60年代スタンダード・タンゴ集)の収録曲でもあるロドリゲス「ラ・クンパルシータ」。そして、生誕90周年に『俺のピアソラ』というアルバムを発表したほど敬愛してやまないピアソラからは、「リベルタンゴ」と「アディオス・ノニーノ」の2大名曲を。さながら旬の花を惜しげもなく使ったような“名曲の花束”だ。そんな15周年にふさわしい一夜かぎりの贅沢な宴は、聴き手の記憶にいつまでも残ることだろう。また、ゲスト出演者の一人に、「THE SONG〜」の作曲者・鳥山が名を連ねているのも楽しみだ。
 今年6月には、ピアソラの最高傑作との呼び声が高いタンゴ・オペリータ《ブエノスアイレスのマリア》を初演以来45年ぶりに復活演奏。ピアソラの元パートナーで初演者の1人でもあるアメリータ・バルタールがマリアを歌った、音の“世界遺産”ともいえるライヴ・レコーディングをリリースするなど、進化の歩みを決して止めることがない小松。次のデビュー20周年や25周年も、さらなる飛躍が期待される。

文:渡辺謙太郎
(ぶらあぼ2013年10月号から)

★11月9日(土)・Bunkamuraオーチャードホール
問:コンサートイマジン03-3235-3777
http://www.concert.co.jp

【CD】
『ブエノスアイレスのマリア
Live Recording in Tokyo』

ソニーミュージック SICC-1644〜5
¥3570