【CD】J.S.バッハ:トッカータ vol.2/家喜美子

 何と、清冽な響きだろう。当盤の第1音を聴くだけで、あなたの耳は虜となってしまうに違いない。家喜美子は、歴史的鍵盤楽器の先駆者レオンハルトの薫陶を受けた後、30年以上にわたってヨーロッパで活躍し、現在は日本を拠点に精力的な演奏活動を続ける。20代前半の青年作曲家がしたためた、覇気あふれる「トッカータ」を源流に、バッハの創造の宇宙を辿るアルバムの第2弾。楽器は今回も仏コルマールにあるオリジナルのルッカース(1624年)。独特の底鳴りする低音と、複層的な響きを湛えた高音を巧みに操り、丹念に編み込まれた対位法の網を、明快かつ風通し良く紐解いてゆく。
文:寺西 肇
(ぶらあぼ2019年7月号より)

【Information】
CD『J.S.バッハ:トッカータ vol.2/家喜美子』

J.S.バッハ:トッカータ ハ短調BWV911、同ニ長調BWV912、同ト短調BWV915、「平均律クラヴィーア曲集 第1巻・第2巻」より〈ロ短調BWV869〉〈嬰ハ長調BWV872〉〈変ホ長調BWV876〉 他

家喜美子(チェンバロ)

レグルス
RGCD-1046 ¥2900+税

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