雄大と行く 昼の音楽さんぽ 第18回 デンハーグピアノ五重奏団

ピリオド楽器で体感するロマン派室内楽の愉悦

 作曲当時の仕様の楽器ならではの妙なる音色が、名曲の真の魅力へと聴衆を誘う。

 デンハーグピアノ五重奏団は、フォルテピアノの小川加恵をはじめ、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスのピリオド楽器の名手たちによって、2009年にオランダでデビュー。11年にアムステルダムで開かれた第16回ファン・ワセナール国際古楽コンクールを制して一躍脚光を浴び、世界的にも稀有な編成のアンサンブルとして、各国の古楽祭に招聘されるなど、国際的な演奏活動を展開している。

 休憩なしの1時間、密度の濃いステージ。バーミンガム響の首席ヴィオラ奏者、アダム・レーマーを加えたメンデルスゾーンのピアノ六重奏曲ニ長調をはじめ、シューベルトの有名なピアノ五重奏曲「ます」からの抜粋、さらに、珍しい五重奏版によるショパン「ノクターン第2番」など、19世紀ロマン派の佳品の数々を。小川は、旧オーストリア帝国領下にあったプラハの名工、アントン・シュヴァルトリンク製作のフォルテピアノ(1835年頃)を演奏する。また、開演前(11:00〜)には、音楽ライターの山野雄大によるプレトークも。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2019年4月号より)

2019.8/8(木)11:15 第一生命ホール
問:トリトンアーツ・チケットデスク03-3532-5702
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