【CD】クリムトと1900年―ウィーンを巡る音楽―

 現在好評開催中、過去最大級のクリムト展とのタイアップ・アルバム。19〜20世紀を生きた稀代の「ファム・ファタル(運命の女)」にして、クリムトに強烈なインスピレーションを与えたミューズでもあったアルマ・マーラーの歌曲を中心に、世紀末ウィーンを彩った音楽が満載。特に人気ソプラノ、小川里美によるマーラー〈私はこの世に忘れられて〉、ドビュッシー〈美しい夕暮れ〉、J.シュトラウスⅡ〈ほろ酔いの歌〉の新録音3曲は聴き逃せない。第14回ウィーン分離派展のために描かれた大作《ベートーヴェン・フリーズ》の元ネタ「第九」の完全収録(DISC2)も嬉しい。
文:東端哲也
(ぶらあぼ2019年7月号より)

【Information】
CD『クリムトと1900年―ウィーンを巡る音楽―』

アルマ・マーラー:静かな街/グスタフ・マーラー:「リュッケルト歌曲集」より〈私はこの世に忘れられて〉/ドビュッシー:美しい夕暮れ/J.シュトラウスⅡ:ほろ酔いの歌/ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱付」 他

小川里美(ソプラノ)
佐藤正浩(ピアノ)
ヘルベルト・ブロムシュテット(指揮)
シュターツカペレ・ドレスデン 他

キングレコード
KICC-1479/80(2枚組) ¥2778+税