【CD】ショスタコーヴィチ:交響曲第12番「1917年」&第15番/ラザレフ&日本フィル

 日本で聴けるショスタコーヴィチの極北と言うべき豪演を繰り広げる、ラザレフ指揮日本フィルのライヴ。第12番は冒頭から気迫に満ち、第1楽章の強烈な推進力と壮絶な爆発に興奮。第3・4楽章の全奏のエネルギーも凄まじく、全てをなぎ倒すように進む結尾の“勝利の行進”は空恐ろしくなるほど。このコンビの長所が詰まった名演だ。第15番は繊細さと緻密さが要求される難曲だが、初演のリハーサル現場にいたというラザレフが、熱気と冷気が両立した緊張感で、鋭くもニュアンス豊かな好演を実現。彼らのショスタコーヴィチ交響曲録音も半分を超え、今後もさらに期待したい。
文:林 昌英
(ぶらあぼ2019年7月号より)

【Information】
CD『ショスタコーヴィチ:交響曲第12番「1917年」&第15番/ラザレフ&日本フィル』

ショスタコーヴィチ:交響曲第12番「1917年」、同第15番

アレクサンドル・ラザレフ(指揮)
日本フィルハーモニー交響楽団

収録:2018年11月、16年7月、サントリーホール(ライヴ)
オクタヴィア・レコード
OVCL-00694 ¥3000+税

  • La Valseの最新記事もチェック

    • エリーナ・ガランチャ(メゾソプラノ)| いま聴いておきたい歌手たち 第14回 
      on 2020/03/25 at 06:59

      text:香原斗志(オペラ評論家) ハングリー精神とテクニック 忘れている人、あるいは知らない人も多いのではないだろうか。2003年11月、新国立劇場で上演されたオッフェンバック《ホフマン物語》にエリーナ・ガランチャは出演し、ニクラウス/ミューズを歌っていた。もちろん、低域から広域までのなめらかな声と豊かな感情表出で強い印象を残したけれど、まだ圧倒的な歌唱とまでは言えなかった。 03年は、ガランチ [&#8230 […]