ピアノ・エトワール・シリーズ 〜2019年度ラインナップ〜

意欲的なプログラムで魅せる世界の若き名手たちの饗宴


 注目すべき若手が乱立するクラシック音楽界の中でも、とりわけまぶしい輝きを放つ新鋭ピアニストたちが、注目のプログラムで競演を繰り広げる「ピアノ・エトワール・シリーズ」。13年目を迎える今年は、シリーズ初のデュオ公演が開催されるなど、目が離せない内容となっている。

 「また聴きたい!」という声の集まった過去の出演者が登場する「アンコール!」公演に登場するのは、第65回ジュネーヴ国際コンクールピアノ部門で日本人初の優勝という快挙を成し遂げた萩原麻未。ピアソラ「アディオス・ノニーノ」やショパンのワルツなど、磨き抜かれた美音、美しい歌心を最大限に発揮するプログラムで魅せる(6/16)。

 デュオとして初めてシリーズに登場するのはルーカス&アルトゥール・ユッセン。兄弟デュオである彼らはポルトガルとブラジルで、マリア・ジョアン・ピリスに約1年間学んだあと、史上初のコンセルトヘボウ・ヤング・タレント賞を受賞。モーツァルトにラヴェル、ファジル・サイなど多彩なプログラムで多彩な実力を発揮してくれるはず(11/17)。

 シリーズ最後に登場するのは2011年モントリオール国際音楽コンクール優勝、13年ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール銀賞(第2位)および聴衆賞受賞で世界的に注目を集めたベアトリーチェ・ラナ。プログラムにはストラヴィンスキーの「『ペトルーシュカ』からの3楽章」をはじめとする難曲が並ぶ(2020.3/8)。

 ぜひお得な「3公演セット券」を活用して全公演、輝く若き才能に浸ってほしい。
文:長井進之介
(ぶらあぼ2019年5月号より)

2019.6/16(日) アンコール! Vol.8 萩原麻未
11/17(日) Vol.37 ルーカス&アルトゥール・ユッセン
2020.3/8(日) Vol.38 ベアトリーチェ・ラナ
各日15:00 彩の国さいたま芸術劇場 音楽ホール
問:彩の国さいたま芸術劇場0570-064-939 
https://www.saf.or.jp/