近江の春 びわ湖クラシック音楽祭2019

─シンフォニーコンサートからモノオペラまで、今年のGWも音楽三昧─


 びわ湖ホール最大のイベント「近江の春 びわ湖クラシック音楽祭」が今年は10連休の幕開け、4月27日(土)、28日(日)に開催される。沼尻竜典・びわ湖ホール芸術監督がプロデュース、学園祭のような楽しさで本格的なクラシックを聴ける祝祭を目指す。
 短時間・低料金で、内容的にも「びわ湖ホールらしさ」を強く打ち出したイベントだ。第1回の昨年は約4万人を集めた。今年は有料32公演、無料約30公演がホールと周辺で催される。

 テーマは「神よ、平和を与えたまえ」。ヴェルディの歌劇《運命の力》のアリアのタイトルだ。「相次ぐ紛争で世界の平和が脅かされ、いじめなどの問題で心も荒みがちな時代。音楽を通じて世の中を少しでも良い方向へ向けたいと願いを込めた」と沼尻監督。京都市交響楽団を指揮するオープニングコンサート(27日)でこのアリアも取り上げる。歌う中村恵理は関西から世界の歌劇場へ羽ばたいたソプラノ。

 沼尻=京響でプーランクの歌劇《声》(27日)も。びわ湖の数々のオペラでおなじみのソプラノ砂川涼子がモノオペラに挑む。演奏会形式で構成は中村敬一、フランス語上演(日本語字幕付き)。
 大植英次指揮の大阪フィルハーモニー交響楽団は28日に2公演。午後にベルリオーズ「幻想交響曲」、クロージングコンサートではコンスタンチン・リフシッツを独奏に迎えてのラフマニノフ「ピアノ協奏曲第3番」と、ラヴェル「ボレロ」。大植は「大阪クラシック 街にあふれる音楽」などもプロデュース、音楽祭を盛り上げる手腕は“お祭り男”の異名を取るほど。リフシッツは27日のリサイタルではバッハ「ゴルトベルク変奏曲」を弾く。

 夕闇に包まれる琵琶湖畔で行う「かがり火コンサート」(27,28日)は、マティアス・ユング指揮ザクセン声楽アンサンブルとびわ湖ホール声楽アンサンブルが合同でモーツァルトの「レクイエム」。管弦楽はザ・カレッジ・オペラハウス管弦楽団。ザクセンのもう1公演(28日)は「主よ、この時代に平和をください」と題してバッハ、シュッツ、ペルトなどの宗教曲でプログラムを構成する。

 もう1人、注目の海外勢はドイツのチェリスト、ユリアン・シュテッケル。2010年のミュンヘン国際音楽コンクールで第1位、ミュンヘン音大で教えながら最前線で活躍している。オープニングコンサートでドヴォルザークのチェロ協奏曲、リサイタル(28日)でバッハの無伴奏チェロ組曲第3番、第4番ほか。

 若手の注目株は葵トリオ(27日)。2016年に結成、昨年のミュンヘン国際音楽コンクールで第1位に輝いた。ヴァイオリンの小川響子とチェロの伊東裕は奈良県、ピアノの秋元孝介は兵庫県の出身。そろって東京藝大で学んだ。
 無料のロビーコンサートも、広上淳一指揮の京都市ジュニアオーケストラ(28日)など充実している。琵琶湖畔には近江牛など特産品を味わえる屋台が並び、音楽祭限定グッズもあり。ふらりと立ち寄っても楽しめる。
文:佐藤千晴
(ぶらあぼ2019年4月号より)

2019.4/27(土)、4/28(日)
びわ湖ホール、ピアザ淡海(滋賀県立県民交流センター)、びわ湖ホール周辺施設
問:びわ湖ホールチケットセンター077-523-7136
※音楽祭の詳細は下記ウェブサイトでご確認ください。
https://festival.biwako-hall.or.jp/

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