デヴィット・ザイデル ファゴット コンサート2019

ファゴットの“魔法”にかかってみる?

©Nancy Horowiz

 デヴィット・ザイデルは、魔法使いかもしれない。ファゴットという“杖”を使って、魅惑の音色を紡ぎ出し、皆を虜にしてしまうのだから。オーストリア・ザルツブルク出身。1998年にウィーン放送交響楽団へ入団し、2004年からは首席奏者に。変幻自在の音色を操る名手として、ウィーン・フィルやミュンヘン・フィルなどにも客演、主要室内楽アンサンブルのメンバーとしても妙技を披露している。

 前半は、ピアノの宇根美沙惠が共演。“テッパンの名曲”とも言うべきシューマン「幻想小曲集」を、デュティユー「サラバンドとコルテージュ」とエロード「ソナタ・ミラネーゼ」、2つの20世紀の佳品で挟み込む。
 そして、都響の岡本正之と新日本フィルの河村幹子、2人の首席奏者をはじめ、5人のファゴットの名手を迎えての後半。18世紀のミシェル・コレットによる4つのファゴットのための協奏曲「不死鳥」や、19世紀のカスティル=ブラーゼ「三重奏曲第3番」とフランスの傑作に、ロッシーニ《ウィリアム・テル》序曲と多彩なプログラムを披露する。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2019年4月号より)

2019.4/19(金)18:45 名古屋/ドルチェ・アートホール
4/20(土)14:00 ヤマハホール
問:プロアルテムジケ03-3943-6677
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