エリソ・ボルクヴァゼ ピアノリサイタル

多彩なプログラムに聴く深遠なサウンド

 黒海に面した文化大国ジョージア(グルジア)が誇る名ピアニスト、エリソ・ボルクヴァゼが春真っ盛りの季節に来日。時代や地域、様式を異にする名曲を弾き分け、巨匠指揮者ズービン・メータをして「卓越した音楽性と、完璧に制御された技巧」と唸らせた、深遠な響きの世界を現出する。
 リサイタルは、モーツァルトの第17番 K.570とプロコフィエフの第2番、ふたつの名ソナタを大枠に。特に後者は、2年前の来日時にも取り上げた、彼女の“十八番”。ここへ、ショパン「スケルツォ第4番」とフランク「前奏曲、コラールとフーガ」、シューベルト「即興曲集 op.90」から第2〜4番を組み合わせる。
 4歳でピアノを始め、7歳でオーケストラと初共演を果たしたボルクヴァゼ。ロン=ティボーほか、多くの国際コンクールで実績を重ね、1995年からは現代フランスの巨匠作曲家ミシェル・ソニーとコラボレート、各国の一線楽団とも共演。国民的人気を博す母国のみならず、国際的にも高い評価を受ける、名手の“いま”を感じたい。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2019年4月号より)

2019.4/20(土)14:00
サントリーホール ブルーローズ(小)
問:プロアルテムジケ03-3943-6677
https://www.proarte.jp/