千葉県少年少女オーケストラ

驚異的な演奏を魅惑の演目で体感


 「世界トップレベル(むろん日本で一番)」と井上道義が賞賛する千葉県少年少女オーケストラが、サントリーホールで公演を行う。同楽団は、1996年に佐治薫子を音楽監督に迎え、都道府県レベルでは全国初の少年少女オーケストラとして結成された。団員は10歳から20歳までの160名。定期や招待演奏のほか、米国、ドイツなど海外でも公演を行い、2017年にはベートーヴェンの交響曲全9曲の演奏も果たしている。これまでに、故・石丸寛、アルミンク、山田和樹、佐渡裕、下野竜也などの指揮者や、アルゲリッチなどのソリストと共演。今回指揮をする井上道義は、20回以上共演し、欧州公演も受け持っている。井上の言葉や共演者の顔ぶれから分かるように、演奏レベルは相当高い。というよりも“えらく上手い”。何より“少年少女が頑張る演奏”の域を超えた“聴かせる音楽”になっている点が凄い。

 今回は、ショスタコーヴィチの交響曲第1番、モーツァルトのピアノ協奏曲第9番「ジュノーム」、伊福部昭の「日本組曲(3曲)」が並ぶプログラムも魅力的だ。ショスタコーヴィチと伊福部は井上が伝道師たる作曲家であり、中でも「日本組曲」の管弦楽版は彼が日本初演を行っている。ピアノは大人気の小曽根真。「ジュノーム」は彼の古典協奏曲初挑戦時からのレパートリーゆえに、自在の快演が期待できる。しかもこれら3曲は、作曲者が19歳、21歳、19歳(原曲のピアノ組曲)時の作。つまり団員たちに近い年齢の頃に書かれている点も意味深い。演目だけでも妙味十分だし、都内で耳にできる今回はぜひ足を運びたいところだ。
文:柴田克彦
(ぶらあぼ2019年3月号より)

2019.3/24(日)14:00 サントリーホール
問:カジモト・イープラス0570-06-9960 
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