至高の室内楽 MOSTLY KOICHIRO vol.4

弦の名匠たちが一堂に会する極上のアンサンブル


 「今から50年前、当時の日本で最先端の音楽教育を行っていた桐朋学園で共に学んだ仲間が、これからは将来の日本を背負って立つ音楽家を育てる年齢になりました。今回は久しぶりに昔の仲間たちと室内楽の名曲を演奏します」

 東京クヮルテットの第1ヴァイオリン奏者として、1970年にミュンヘン国際コンクール弦楽四重奏部門で優勝して脚光を浴び、ソリストとして世界中の檜舞台で名演を披露してきた原田幸一郎は言う。桐朋学園で学び、ジュリアード音楽院では、ドロシー・ディレイやイヴァン・ガラミアンら巨匠に師事。現在は母校・桐朋学園をはじめ、韓国国立芸大やマンハッタン音楽院で、自身が後進の指導に力を注ぐ立場になっている。

 古くからの音楽仲間から俊英まで、多彩な名手たちとの共演を通じて、室内楽の達人としての原田の魅力を浮き彫りにしてゆくシリーズ「MOSTLY KOICHIRO」。その第4弾では、元NHK交響楽団コンサートマスターの徳永二男をはじめ、ヴァイオリンの池田菊衛、ヴィオラの川崎雅夫と磯村和英、チェロの岩崎洸と毛利伯郎、桐朋学園の同窓にして、国際的に活躍する名奏者が集結する。

 盟友たちが奏でるのは、陽光と詩情にあふれたチャイコフスキーの「フィレンツェの想い出」と、圧巻の変奏曲を擁するブラームスの第1番、全く異なる色彩を持った、ふたつの弦楽六重奏曲の傑作。さらに、第1楽章で各パートが親密に歌い交わす様から「鳥」の愛称を持つ、ハイドンの弦楽四重奏曲第32番が披露される。極上の体験が約束できよう。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2019年3月号より)

2019.3/16(土)14:00 紀尾井ホール
問:アスペン03-5467-0081
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